天保山公園は江戸時代から桜花見のスポットとして広く知られていたそう。
天保山の周囲には桜や松が植えられ、大坂でも有数の行楽地になったのだとか。
さっそく、桜の状況を調べに、天保山公園までやってきました。
※写真は2022年3月30日に撮影したものです。
場所はこちらです。
スポット名 | 天保山公園 |
場所 | 大阪市港区築港3-2 |
アクセス | 地下鉄中央線 大阪港駅より徒歩7分 |
駐車場 | なし(近くにコインパーキングあり) |
問い合わせ先 | 06-6571-0552八幡屋公園事務所 |
時間 | 24時間 |
入園料 | 無料 |
地下鉄中央線大阪港駅から大阪湾に向かって歩いて行くと、桜色に染まった空間が現れます。
天保山公園の入り口です。
桜の花があちらこちらで咲いています。
さあ、標高4.53mの日本一(現在は二番目ともいわれている)低い山への登山開始です。
目の前の階段(登山道?)を避けて、坂道を歩くことにしました。
桜の木は、道路沿いにずっと植えられていてきれいな花を咲かせています。
でも、この周辺はまだ五分咲きくらいです。
公園外周をぐるりとまわると、銅像が見えてきました。
この方は、6代目大阪府知事で大阪港築港工事に着手した西村捨三さんです。
銅像を桜が取り囲むようにきれいに咲いていました。
公園外周をまわっても、なかなか頂上にたどり着けなかったので、諦めて正規の登山道である階段をのぼることにしました。
少し息を切らしながら頂上にたどり着くと目の前には、桜と観覧車の絶景が広がっていました。眼下に広がる公園一帯が桜の花で艶やかな世界を醸し出しています。
そこから少し階段を降りていくと、明治天皇観艦の所という石碑がありました。
花見に行かれた方は、必ずこの石碑の周囲を注意深く見てください。
小さな小さな「天保山頂上」という標識があります。
頂上では、ソメイヨシノがほぼ九分咲きになっていてとてもきれいな景色になっています。
花がいくつか集まって咲いており、まるで桜の花の手鞠のようです。
公園の海側の桜の木はこれからぽつぽつ咲き出すようです。
公園の陸側は二色に彩られていました。
濃いピンク色は陽光桜です。
この陽光桜は「非戦の誓いの花」と言われています。
高岡正明という愛媛の元教師が、先の大戦中に世界各国で命を散らした教え子たちの慰霊のために、亜熱帯のジャワから極寒のシベリアまで、どんな気候の地でも花を咲かせることができる新種の桜を誕生させたのです。
それが「陽光桜」です。
淡いピンク色は日本でもっとも有名なソメイヨシノです。
天保山というと、海遊館など新しい施設のイメージがありますが、この公園に行けば、江戸時代からの歴史を感じることができます。
天保山は人工的に作られた山です。
大阪湾から大阪市中へ遡る二大航路の一つが安治川でした。
天保2年洪水防止と市中への大型船入港をしやすくする目的で2年をかけて安治川の浚渫工事が行われました。
浚渫工事とは川の土砂を浚(さら)うことです。
当時、大坂町奉行が陣頭指揮をとって、町をあげての工事だったそうで、浚えた土砂は安治川の河口に積み上げられ、安治川入港の目印にしたのだそうです。
この積み上げられた山が天保山です。
天保山を下りて公園の出入り口にさしかかった場所に、坂本龍馬と奥さんのお龍さんの写真がありました。
この夫婦の新婚旅行出発地点が、ここ天保山だったのです。
日本における新婚旅行の起源と言われています。
天保山公園には防潮堤があります。
そこには歌川貞升画のタイル画が貼り付けてあります。
天保山の桜は今まさに咲き始めたところでしょうか。
これからが見頃になってくると思われます。
大坂の歴史に思いを馳せながら、天保山の桜を楽しんでみませんか。

小・中・高・専門学校の教員経験をもつ変なおばさん。得意分野は理科(物理と化学)・科学史・理科の実験。趣味は食べ歩きとドライブと調べることと新しいことに挑戦すること。大阪と福島県新地町と大分県中津市が大好き人間。
この記事へのコメントはありません。